神の概念
「啓典の民(キリスト教徒)よ」あなたがたは宗教上のことで過大なことをしてはならない。アッラーに関しては真理以外のことを言ってはならない。マリアの息子キリスト・イエスはアッラーの使徒にすぎません。アッラーがマリアに託された御言葉であり、アッラーからの発した霊力にすぎません。だから、アッラーとその使徒を信じなさい。決して三位一体とは言ってはいけません。その方があなた方のためになるのです。あなた方のためにアッラーは唯一の神なのです。神に讃あれ。神にどうして息子がいるであろう。アッラーは天にあるもの、地にあるもの、すべてを所有するアッラーは管理者として万全なのです。[コーラン4:171]
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
“伝え知らせなさい。かれはアッラー、唯一の神なのです。アッラーは永生の絶対的存在です。かれはお産みなさらないし、お生まれになられたのではありません。アッラーに比べ得るものは何もありません”
[ コーラン112:1-4 ]
“
言語には1つ、または1つ以上の用語を持っています。神に関して使用されている言語で神という場合は時にはより小さな神々をいいます。
これは‘アッラー’という言葉には当てはまりません。アッラーは一つの真の神の固有名詞です。誰もアッラーと呼ぶことはできません。この言葉には複数形や性別はありません。
すなわち「神々」や「女神」とも異なるのです。
アッラーはイエスの言葉であるアラム語の神の個人名です。アッラーという言葉はイスラム教が神と結びつける唯一の表現なのです。
イスラム教徒にとってアッラーは全能の神であり、創造主であり、宇宙の管理者であり、かれに匹敵するものはなにもありません。預言者ムハンマドは同時代の人々からアッラーについて尋ねられました。すると、彼は自らコーランの短い章の1節から引用し答えました。それは神、または一神教の理念である統一の本質であると考えられています。
“伝え知らせなさい。かれはアッラー、唯一の神なのです。アッラーは永生の絶対的存在です。かれはお産みなさらないし、お生まれになられたのではありません。アッラーに比べ得るものは何もありません”
一部のイスラム教徒ではない人々は、イスラム教は神に完全に従うことを要求する冷酷で残酷な神であり、愛情がなく優しさがないと主張します。しかし、このことの1つを知っていれば十分です。114の各章コーランは次の節から始まります。預言者ムハンマドの言葉の一つ、“アッラーの御名において最も慈悲に満ち、最も慈愛深い”“神は母親が自分の愛
する子どもを愛するよりも愛情深いのです。
神は慈悲深いだけではなく神はまた正しいのです。従って、悪行をする者や罪人は罰を与え、善良な者たちには報酬を与えるのです。実際、彼の慈悲は神に完全に現れています。
長いこと苦しんでいる人々、長いこと人々を抑圧し搾取している人々の両者には神から同じ扱いを受けるべきではありません。彼らに同じような扱いを期待することは信仰を否定することになり、この世で道徳的で徳を積む生活を送っている人々の励みを否定することになります。
イスラム教は神を人間の形で表現したり、富、権力、または人種に基づいて特定の個人や国家を優遇したりすることを拒否しています。アッラーは私たち人間を平等に創られました。私たち人間は自身を区別したがりますが善徳と敬虔さだけでアッラーの恩恵を受け取ることができるのです。
神の本質を理解する
~Understanding the true essence of God~
キリスト教の神は「創造の七日目に永遠の眠りについた」、「神は己の戦士と格闘した」、「神は人類に対する嫉妬と陰謀である」、または「神はあらゆる人間に転生した」という概念はイスラム教の観点からは冒涜とみなされています。
神の固有名詞としてのアッラーというイスラム教徒の独特の使い方は、神の信仰の純粋さを強調しています。神の統一を信じるこの信念は、すべての神の預言者のメッセージ(教え)の本質です。
このためイスラム教の考えでは、いかなる神または人格を神と関連付けること、その人が悔い改めずに死ねば神はそれを許されない重大な罪であると考えています。
創造主であるアッラーはこの世と宇宙に、過去も未来に二つと存在したことも、また、未来にアッラー以外の神が現れることもないのです。よって、創造主は永遠なのです。
もし彼が永遠であるならば、彼は生じず、彼が存在するようになった原因がないならば、彼のいる環境が存在し続ける原因とはならず、つまり彼は自給自足でなければならないということになります。
彼自身の存在の継続のために何にも依存していない場合、この存在には終わりは無いのです。
創造主はそれゆえに永遠であり、”彼は最初で最後の者であり、明白で不滅である。”のです。 [コーラン57:3] (注)アッラーは空間も時間もなく、時空に超越なされている。つまり、アッラーはわれわれの側にいて、その行うすべてのことをご存じであられる。
彼は自給自足者です。コーランの言葉でいう独立、自立しているという意味のアルカイムです。つまり、神は人間と違い、食べていかなくても永遠に存在するのです。
神は何でも創造できます。人間も自然も。物も。依って、神は自分でこの世に創造したものを維持し続けることも可能であり、また 自分で作った物(人でも国でも)を消すことも出来るのです。
“アッラーはあらゆるものの創造主であり、かれは守護者であり、すべての管理者である。天と地の鍵はアッラーのものである。かれの印を拒否した者こそ失敗者である。[コーラン39:62-63]
“アッラーは空間も時間もなく、時空に超越なされている。つまり、アッラーはわれわれの側にいて、その行うすべてのことをご存じであられる。”
神の象徴
~GOD’S ATTRIBUTES~
もし創造主が永遠で無限であるならば、神そのものもまた永遠で無限でなければなりません。創造主は、その特質を失うことも、新しい特質をまた新たに獲得することもできません。もしそうであるならば、創造主の特質は絶対的なものであることがうかがえます。このような絶対的な属性を持つ創造主は複数存在していると思いますか?
例えば、絶対的な権力を持つ創造主が二人も存在できますか?少し考えてみると、それは不可能であることが分かります。コーランは上記の矛盾に対してこの様に提言しています。
“アッラーは人の子ではない。またアッラーの他に存在する神々もいない。もし多くの神々が存在するのなら、見よ、神々は自分の創造したものを奪い去り、またある神はそれを支配していたであろう。アッラーに栄光あれ。アッラーは彼に帰依するものから自由であられる。[コーラン 23:91]
神は一つ
~THE ONENESS OF GOD~
コーランは、すべての疑わしい神々の嘘を人々に気づかせる。偶像崇拝者に尋ねます。
“あなたがたは(自分で)刻んだものを崇拝するのですか?
アッラーはあなたがたを創り、またあなたがたが創るものを創られるのです。
[コーラン 37:95-96]
“あなたがたはアッラー以外の、善いことも悪いことも起こせないような力のない守護者を崇拝するのですか。 [コーラン 13:16]
天体を崇拝する者には、イブラヒムの話を引用しています。
”夜が彼を覆うと、彼は星を見て言った。「あの星が私の神です。」”
しかし星が沈むと(夜が明けると)、彼は言うのでした。
「私は沈むものを愛せない。」
そしてかれは月が光を発しながら昇るのを見て言った。
「あの月が私の神です。」
しかし月が沈むとかれはこのように言いました。
「主がわたしを導かれない限り,わたしは必ず迷う者たちの中にいるだろう」。太陽が閃光を発しながら昇るのを見て,かれは言った。
「これこそわたしの主である!」しかし太陽が沈むと,かれは言った。
「あぁ、民よ。わたしはやっと気づきました。アッラー以外の神を信じていた罪から私は解放された。わたしは、天と地を創られたあなたに向かって、信念を持って、自分の顔を向けることを誓います。」
[コーラン 6:76-79]
信者の心得
~THE BELEBERS ATTITUDE~
イスラム教徒になるためには(つまり、自分を神に服従させるために)、神の唯一性を信じる必要があります。神が唯一の創造者、保護者、育てる者などであるという意味ですが、この信仰は後にタウヒード・アル・ルビビヤと呼ばれるが十分ではありませんでした。偶像崇拝者たちの多くは、これをすべて行うことができるのは最高の神だけだと信じていました。
タウヒード・アル・ルビビヤ(Tawhid Al-Rububiyyah)(アッラーのすべての行為)を得るには、タウヒード・アル・ルヒヤ (Tawhid Al-luhiyyah)(アッラーのみ崇拝)を付け加える必要があります。
つまり、崇拝されるに値するのは神のみであるという事実を認め、他のものや存在を崇拝することを慎まなくてはなりません。
一つの真の神についてのこの知識を獲得したなら、人は常に彼を信じるべきであり、彼に真理を否定するように仕向けることを許してはなりません。
真の信仰が人の心に入ると、人の視野や行動に影響を与えます。
預言者は、「信仰とは、心の中にしっかりと存在し、行為(善行)によって証明されるものです」と言っています。
信仰の印象的な結果の一つは、神への感謝の気持ちであり、それはイバダ(礼拝)の本質と言えるでしょう。
感謝の気持ちはとても重要なので、真実を否定する人は誰でもカフィア「恩知らずの人」と呼ばれます。信者は彼が彼に与えた恵みを愛し、神に感謝しています。彼の善行が神の好意に見合うものとはほど遠いという事実を認識しているため、彼は常に神を喜ばせたいと切望しています。
彼はしばしば神を思い出します。コーランは神の特質を繰り返すことによってこの感謝の気持ちを重ね重ね引き立てます。
“アッラー!あなた以外に神はいない。彼は生ける者であり、自存する者であり、永遠である。かれを捕らえることも、眠らせることも出来ない。天にあり地にあるすべてのものは彼のものである。あなたに変わるものは何一つない。アッラーあなたは全知全能である。あなたの玉座は天と地を覆うように君臨する。至高であり至大であるあなたは疲れること無く私たちを常に維持供給してくださる。”[コーラン2:255]